薪づくり
里山で薪づくり
薪ストーブ愛好家の最大のネックは薪を集めることです。ここでは、私たちの薪づくりを紹介させていただきます。
雑木林の確保
薪を手に入れる前にしなければならないことは、クヌギやコナラが自生している雑木林の確保です。所有者の方に了解を得ることから始まります。法務局や市役所の公図から所有者を調べ、電話や手紙で趣旨説明を行い同意を求めます。近年、このような活動は怪しまれ通報されたり無視されることが多く大変です。地道に進めることが必要です。
雑木林の管理作業
同意が得られたら最初に行う作業は鬱蒼とした雑木林の清掃作業です。ツルや下草の刈取り、作業道の確保、不法投棄されたゴミの除去など、とても大変な作業です。刈り払い機(草刈り機)と軽トラックが必需品です。可能であれば所有者と一緒に行いましょう。
木の伐採
作業道が確保できたら、チェーンソーを持って雑木林に入ります。そして、薪に適した木を見つけたら左右90度の方向から木の重心を見極め、倒れる方向と倒す方向を考えます。広葉樹は、杉や檜のように真直ぐに立っている木は少ないので、玉切り後の集材の都合も考えながら倒す方向を決めます。
いよいよ伐木作業です。作業を安全に行うためには周辺の状況を十分に確認する必要があります。また傾斜地にある立木の倒す方向は、横方向または斜め下方向へ倒すことが基本です。
全てが整えば、倒す方向に合わせて受け口を作ります。軽くてパワーのある中型のチェーンソーが良いでしょう。
受け口は材の直径の1/4~1/3程度。受け口の斜めに切り込んだ位置が、追い口の面と一致するようにして倒します。
伐木作業では、木が割れて跳ねたり、思わぬ方向へ倒れたりすることもあります。危険な作業なので十分に注意して行います。直径が30cmを超える大木を倒した時は圧巻! 伐木作業の醍醐味です。気分爽快!
参考:
クヌギやコナラなどの広葉樹は、倒木した翌春に伐り株の下から萌芽が始まります。萌芽後に手入れして枝を適度に切り、幹となる枝を残すと成長します。そして十数年後に再び伐る。その繰返しが里山の再生につながります。
枝払いと玉切り作業
倒した木の枝払いは、小型チェーンソーか斧で付け根を切っていきます。大きな枝や材の下に押さえ込まれている枝は不用意に切ると反発が生じたり、チェーンソーが食い込んだりすることがあります。その場合は、枝をいったん適当な長さに切ってから付け根を切ります。その後、幹に沿って枝を切っていきます。
玉切りする前に、幹や枝に定規で一定の長さに印をつけます。鋸で行うとよいでしょう。薪ストーブの大きさに合わせて定規を決めます。私たちは40cmにしています。玉切りは大型チェーンソーで、枝は小型のチェーンソーで切っていきます。刃の目立ても重要です。目立てが上手くできないと作業の効率が上がりません。作業前にヤスリで行っておきましょう。
薪割り作業
薪割りの必須アイテムは斧です。私が使用しているのは、親父の残してくれた和斧と最近購入した輸入品ヘルコというアックス。このアックスの破壊力は凄いの一言です。直径30cm以上の木でも鋭く刺さり一撃で割ることができます。この時の気分は爽快! 楽しい薪割りの瞬間です。
業務用の薪割りは、油圧式の薪割機2台~3台で行っています。
高さ40cm程度の木を台にして薪を置くと楽に割ることができます。ただし、斧の振り下ろし方と、飛んでくる割木の破片には十分に注意する必要があります。失敗したら大怪我をします。
好みのサイズに割れたら、薪棚に積んで次のシーズンまで乾かします。薪棚からは樹液の匂いが漂ってきます。
参考: 薪一束とは、直径22.3cmで円周70cmと決められています。(林野庁:S34通達)
薪は水分量を25%以下にしないと、煙が多くて使えません。燃焼効率を考えると15%~20%まで乾かす必要があります。伐採した木は適当な大きさに割って積み上げ2年ほど乾燥させます。
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