薪バンク
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人と獣の棲み分けを目的にした緩衝帯をどのように整備するのかが課題となりますが、福井県鯖江市の場合は、市が国の基金を活用して大規模な緩衝帯を整備したと聞きました。また鯖江市の場合は、地域が緩衝帯を上手く利用して管理することで「獣害ゼロ」という成功を治めています。
しかし多くの場合は、再び荒廃した里山に戻る失敗事例が多いのではないでしょうか? 私の地域では、滋賀県が竹林の伐採整備をしましたが、所有者や地域がその後の管理を行う事例はほとんどありません。翌年には再び荒れ始めています。この問題は検証して今後につないでいただきたいと思います。
私は地域やNPOが緩衝帯の整備を請負うことができれば、緩衝帯を利用する様々なアイデアが生れてくるのではないかと考えています。
緩衝帯整備には、木の伐採という危険な作業が伴うので、しっかりとした技術と安全対策が必要ですが、林家や森林組合が関与することで解決できると思います。なぜなら、昔は地域の人たちが森の木を伐っていたのです。
緩衝帯整備により不要となる木が多く発生します。一方、木や薪が欲しいという薪ストーブ愛好家が多くいます。これらを上手くマッチングさせることができれば、緩衝帯に人が入る仕組みができるのではないかと思います。
伐り倒された後の木であれば、薪ストーブの愛好家が玉切りや薪割を楽しむことができますし、地域やNPOが薪づくりを行い販売することも可能です。
薪が欲しいという希望と、木や薪があります、という情報を上手く連絡調整する仕組み「薪バンク」を地域やNPOが運営することができれば、獣害だけではなく、地域の様々な課題を解決する糸口となるのではないでしょうか。
薪バンクには、この他にも多くの提案があるようですが、提案だけで終わらせたくないアイデアがたくさんありそうです。