滋賀県産の「薪」と「炭」、「ドラム缶炭焼き窯」の販売、木の伐採、支障木伐採、近江薪炭塾

里山の未来づくり

自然に学び、自然とともに生きる暮らしが里山の暮らしです。
農山村環境である里山は、自然とともに生きる知恵や技に満ちあふれ、人が生きていくうえで多くの示唆に富んでいます。

その里山で木を伐り、薪や炭に加工して燃料として使う生活や、畑を耕し・種をまき・成長を見守り・収穫して・美味しくいただく生活は、人と自然・人と人の結びつきを理解し、ものをつくる苦労や喜びを知ることができます。
そして里山は、様々な生き物たちの棲家となっていることも理解することができます。

こうした里山の多面的な機能を理解することは環境意識の高揚へとつながります。

近江薪炭クラブ代表 堀久好


提案:古くて新しい里山の未来づくり

私と同い年の自然写真家:今森光彦さんは「里山のモデル地域をつくりたい」と話していました。今森さんとの親交から多くのことを学んだ私は、自分にできる「里山」について考えていました。今その答えの一つが「古くて新しい里山の未来づくり」です。

古くて新しい里山の未来づくりとは、「昔の不便な暮らしに戻そう」ということではなく、「地域で脈々と受け継がれてきた里山の暮らし文化を未来の暮らしに活かしていこう」ということです。

農山漁村環境である里山は、自然とともに生きる知恵や技に満ちあふれ、人が生きていくうえで多くの示唆に富んでいます。

例えば、山の木を伐り出し匠の技で家を建てる。雑木は薪や炭に加工して薪ストーブを囲み家族団欒で暖をとる。七輪やコンロの炭火で肉や魚・山の幸・野菜をいただくなど。

自然と暮らしの結びつきが分かりにくくなった現代において里山の暮らしは、農業・林業・水産業といった生業との結びつきをシッカリと見ることができます。こうした昭和30年代までの里山の暮らし方が今の若い人たちには新鮮に写っているようです。

里山にはマネーではないお金がたくさん落ちています。「古くて新しい里山の未来づくり」の実践で、全国各地に固有の「里山のモデル地域」が誕生することを期待しています。

里山の今と昔

薪割り

昭和40年ごろ、私は父の山仕事の手伝いとして琵琶湖を望む雑木林に入り、木伐を見てきました。高度経済成長時代に入る中、最後の伐木労働者です。

里山の代表格である雑木林ですが、私は雑木林を駆け回り、お腹が減ったらニギリ飯を頬張り、喉が渇いたら谷川の水で潤おしていました。

雑木林には子どもたちが駆回ることのできる広い空間があったのです。

また、雑木林からは大きな琵琶湖を望むことができました。その時、父は私に「この景色を忘れるなよ! 日本一だから」と生れ育った地域の良さを語ってくれました。

私の子供時代は、薪を使って、おくどさん(竈・かまど)でご飯を炊き、五右衛門風呂を沸かして入っていました。薪は貴重な燃料だったのです。こうした里山暮らしを支えるために親父は雑木林に入り、薪づくりをしていたのです。

昭和62年に地球環境問題や琵琶湖の水環境問題に触れた私は、平成9年に上司の提案事業に参加して、水質改善を目的とした炭焼きを体験しました。炭材として必要な木や竹を切っていると父の木伐を懐かしく思い出していました。

娘婿たちと

そして数年が経過した頃に娘家族が薪ストーブを購入。大量の薪が必要となったことから、本格的に道具を揃え、改めて安全講習も受けて雑木林に入ることにしました。

雑木林が昔と違うのは、薪や炭が利用されなくなったことから木が伐られずに大径木化していることです。

昔は直径10cm~15cm程度で伐っていたように覚えていますが、今では直径が50cmを超える木もあります。

そして、雑木林の中が雑草や木々で鬱蒼とし、人が立ち入るのを拒んでいます。

古くて新しい「薪ストーブライフ」

薪ストーブ

かつて、父が生業としていた薪づくりを休日の楽しみとして始めました。その薪で孫たちがストーブの炎につつまれ暖をとっています。なんとも嬉しい眺めです。

そして今、自然派志向の人たちが増え、薪ストーブに熱い視線が集まっています。暖かさを求めるだけならエアコンや石油ストーブ、ファンヒーターで十分ですが、薪ストーブには暖をとるだけではない魅力と可能性があるようです。さて、その魅力と可能性とは・・・・・?

薪ストーブを使っている娘家族を見て感じたことが幾つかあります。

薪ストーブの魅力と可能性

①薪ストーブで家の中全体が暖まる

翌朝まで暖かさが残り、あの冷え冷えとした朝の生活が解消されます。寒がりの娘にとっては、とてもありがたいことだと思います。家の中どこにいても暖かさが漂い、真冬でも心地のよい朝が迎えられるのです。

②薪ストーブを囲み家族が安らぐ

パチパチと薪の燃えゆる音と、ゆらゆらと揺らぐ炎の共演、そして木のにおい・・・。
家族は、いつしか自然とともに生きる豊かな暮らしと文化を感じることでしょう。

③薪ストーブで家族総出の作業が生まれる

薪運び

薪ストーブにとって必要な薪づくりや薪運び、薪を焼べる、薪ストーブで料理をつくる・・・・・といった家族総出の作業が生まれます。
やり遂げることで満足感が生まれ、家族の絆が深まり、家族の温もりを感じることになります。家の中だけでなく家族が薪ストーブで暖められるのです。

④薪ストーブ愛好家の仲間ができる

煙突のある家の者同士、これまで顔も合したことのない人達と薪ストーブ談議が始まり、その魅力や薪の獲得について情報交換することになります。やがて薪づくりを一緒に行うなど輪が広がっていきます。

薪づくりは里山の再生と保全につながる

薪炭林としての役割を失ってしまった里山の代表格である雑木林(落葉広葉樹林)は徐々に陰樹林へと移行し荒れに荒れています。またスギやヒノキを植林した人工林も放置され、下草が生えなくなり生きものたちの食べ物が少なくなっているのです。その結果、ニホンジカやニホンザルが人家近くまで侵入し、農作物を食べ荒らすという獣害へとつながっています。

身も心も暖まる薪ストーブ

雑木林の木(ナラやクヌギなど)を薪や炭として利用すること、スギやヒノキを建築材として活用できる仕組みをつくることで雑木林の見通しと風通しが確保され、太陽光が届き、生き物たちが好む植物も育ちます。そうなれば昔のように人と生きものの共存も可能となるでしょう。薪ストーブを使うことは里山の来来づくりにつながるのです。

里山暮らしを知る私にとって、薪ストーブの魅力と可能性は容易に理解し想像することができます。

身も心も暖まる薪ストーブ、そして両親の愛情につつまれて育つ孫の成長と里山の未来が楽しみです!

古くて新しい「炭火を使う暮らし」

バーベキュー

里山から伐り出したクヌギやコナラの枝や半端材を炭にします。

その炭を燃料に、夏は炭火バーベキュー、秋はサンマ、冬と春は獅子鍋などを頂きます。

炭火を活かす道具は、囲炉裏、火鉢、七輪、コンロ・・・と沢山あります。あなたは、どれを使いますか?


囲炉裏で鍋料理

獅子鍋

囲炉裏は、炭火を囲んでの家族団欒と、暖房と調理に欠かせないものとして親しまれてきた日本の文化です。

囲炉裏には自在鉤や五徳を用いて鍋を火にかけます。旬の幸を使った鍋料理だけでなく、炊飯や串に刺した魚を灰に立てて焼くこともできます。私の好きな酒燗も炭火の灰熱でバッチリできます。

また、家中に暖かい空気を充満させることによって、木材の含水率が下がりカビの発生を抑えることで木造住宅の耐久性が向上するのです。

最近では、移動式の囲炉裏も登場しています。昔を感じながら、新しい囲炉裏の使い方で日本の文化を楽しみましょう。

炭火焼きがおいしい秘密

おいしいといわれる焼肉や焼鳥の各店で使われているのが炭火。ガスの炎よりおいしく焼ける秘密は、炭火の出す遠赤外線にあります。
炭火はガス火の約4倍の遠赤外線を出すので、肉の表面を焦がさず、中までじっくり火が通ります。

しかも強い放射熱で肉汁が出る前に表面を皮膜で覆い、旨味を逃がしません。また炭火焼きではアルカリ性の灰が肉の表面にくっつくため、これが肉の酸化を防止し時間が経っても肉の味を保ちます。

最近では、おしゃれな七輪やコンロも登場し、楽しく肉や魚を焼くことができます。
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